第114回医師国家試験体験記② 〜国試勉強法〜

医師国家試験

今回の記事では国試を終えてもっとこうしておけばよかったな〜やこの方法よかったな〜と感じたことをまとめてみました!

国試に受かるための勉強

一番大切なことは『国試に受かるための勉強!』ということです

勉強量を求められるのは当然ですが、気を抜くと『気になってつい深入りしてしまう(国試には出ない)』『こんな細かいとこ出ないやろ、、、(過去問でバリバリ出てる)』『この分野興味ないから後回しでいいや(配点大きい)』なんてことが頻繁に起きます。

自分の興味のある勉強は国試に受かって研修医になってから思う存分しましょう。でも受からないとスタート地点にも立てないです。
今研修医として働いていますが、自分の気になったことを勉強して、それで目の前の患者さんが喜んでくれるって最高ですよ!

広く浅く!

まずは国試の全範囲をとりあえず終わらせましょう。

1診療科ずつ時間をかけてやるのはおすすめしません。
・国試までに全く手をつけない範囲が出てしまう可能性がある
・最初に勉強した診療科はわすれてしまう
・そもそも奥が深すぎてどこまでやればいいのかキリがない

浅くとりあえず1周!を何回も繰り返すことをおすすめします!(なお浅くといってもそんなに一筋縄にはいかない模様)

優先順位

国試は量が膨大なので、大学受験のときのようにすべて終わらせて完璧にして国試に向かうのは不可能です。(少なくても僕のような凡人には)

メンタルが死んでいく直前期に『あれも終わってないこれも終わってない、、、』と絶望しないためにも
全て完璧にするのは不可能という前提で最初から優先順位をつけて勉強することをオススメします!

個人的に考えた優先順位を書いておきます。

教材 

映像授業>国試過去問>模試>その他 の順かなと思います

長くなってしまったのでそれぞれ別記事にしました!

第114回医師国家試験体験記⑤ 〜映像授業のススメ〜
第114回医師国家試験体験記⑥ 〜映像授業比較編〜
第114回医師国家試験体験記⑧ 〜過去問&模試編〜

診療科 

国試の問題数と労力に応じて優先順位をつけましょう。
様々な予備校や個人のブログが分析記事を出しているので、ここでは簡単に触れるのみにします

公衆衛生
 例えばQAssistであれば40分×20コマで50/400問の範囲をカバーできます。(40分中10分程度は過去問の解説なので、実講義時間としてはもっと短くなります)これはコスパがよく、優先順位も高くなるでしょう!

すべての範囲に興味を持つ

人間興味のないものは覚えられません!
私の興味の持ち方を少しだけ紹介します。ぁこれだったら興味持てるかも!と思ってもらえたらうれしいです

疾患頻度

例えば高血圧・糖尿病・高脂血症等ですね。医師になれば毎日必ず目にするといっても過言ではないほど多いです。
将来的にも使う頻度が高いならちゃんと勉強しとこうかなと思えます!

身近な病気

疾患頻度とも少しかぶりますが、代表的なものとしては妊娠出産・小児の成長発達が挙げられます。将来結婚して子供ができてということになれば、絶対に知っていた方が良い知識です。将来の大事な人のためなら頑張って勉強できますよね??(CMの決めゼリフ的な)

見逃されやすい疾患

これはズバリ膠原病・血管炎です
様々な診療科にちょこっと顔を出してきて、でもきちんと鑑別にあげないと原因不明にされたり、他の病気と誤診されたりしています。
実習などで、ずっと膠原病の診断がつかず病気に苦しんでようやく大学病院に送られてきた患者さんに会いませんでしたか??
アレ?おかしい!と気づいて適切な診療科に送ることができれば、ステロイドや免疫抑制剤などで症状を抑えることができます。
医師として臨床で働くなら、常に頭の片隅においておく必要があると思います。

皮膚科

個人的にとても好きな診療科です。
皮膚科以外の医師が見ても、『うーん、、発疹があるね!!!』しかわからないものを、皮膚科の医師が見ると一瞬で診断がつくということがよくあります。
勉強して経験を積めば他の人には見えないものが見えるようになる。めっちゃかっこよくないですか!!!
その最初の一歩として国試の勉強に取り組んでみてはどうでしょうか!

救急

医師免許があるということは処置ができるということです。医籍登録された翌日の医師でも、50歳のベテランの救急の先生でも免許的にはできることは同じです。
逆に医師免許がなければ処置はできません。どんなにベテランの救急の看護師さんが一緒にいても、処置ができるのは免許を持っている自分だけです。

医師免許があり処置ができるということは裏返せば医師には処置をする責任があるとすら言えるかもしれません。

街で人が倒れているとき、その場に医師は自分1人です。どこにでも医師がいる病院内ですら、自分以外の医師を呼ぶ時間すらない病態がたくさんあります。
その瞬間にその場にいた医師である自分に知識・技術・経験があり、適切な処置ができれば患者さんの命を救えるかもしれません。
目の前で患者さんが苦しんでるのになにもできない無力感は本当につらいです。

すぐそこにある未来に備えて、まずは必要な知識をきちんと身につけておくことを強くおすすめします。

総論各論と分類

個人的に大切にしていることです。この意識をもって勉強すると頭の中が整理されやすいと思います。

総論 ひとつ理解して覚えたことがその分野全てに使える知識
各論 その疾患のみなど、限定された知識

以下めまいを例にしてみたいと思います。

総論 回転性めまいと非回転性めまい

回転性めまい
 周りがグルグル回っている
 眼振を伴うことが多い(眼球が自分の意志と関係なく動けば周囲が動いている用に感じる)
   
非回転性めまい(浮動性めまい)
 浮動感(ふわふわした感じ)、動揺感(自分の体が揺れている感覚)、眼前暗黒感(立ちくらみ)

各論

めまいを起こす疾患には前失神、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎、小脳梗塞等があり、それぞれについて勉強していく必要があります。

分類

分類を意識して総論を勉強するのがおすすめです
今回の例では以下のようになります

回転性めまい  非前庭性(前失神)、末梢前庭性(良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎等)
非回転性めまい 中枢前庭性(小脳梗塞等)

つまり前失神、メニエール病、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎などの回転性めまいには全て眼振が見られるということです!!!(教科書的には)

このように総論は1つの知識が広く使えるのでコスパが良く、しっかり勉強することをおすすめします!

その他

英語

英語問題は増加傾向にありますが、そのために時間を割いて英語の勉強をするのはコスパが悪いと思います。
そこで僕は英語の略語が出てきたときにきちんと調べることをおすすめします。

例 DVT Deep Vein Thrombosis 深部血管塞栓症 など

理由として以下の2つがあげられます
 ・略語が記憶に残りやすくなる
 ・医学英単語の勉強になる

研修医になってからも上の先生の略語だらけのカルテの解読に苦しむことになります、、、長い目で見ても無駄にはならない勉強だとおもいます。
国試の英語問題は大学受験の英語力があれば、あとは医学単語ゴリ押しで解けるものがほとんどです。
仕上げに国試過去問の英語問題を一通り解いておけば十分だと思います!

さいごに

国試に向けて膨大な量をこなさなければならないですが、少しでも参考になれば嬉しいです!

114回医師国試体験記の他の記事は第114回医師国試体験記①からご覧ください!

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