第114回医師国家試験体験記⑧ 〜過去問&模試編〜

医師国家試験

国試予備校が出している映像授業・過去問・模試の3種の神器のうち、映像授業について書いてきました。
今回は残り2つ、過去問と模試について見ていきます。

国試過去問

3種の神器、2つ目は国試過去問です。

国試過去問の目的

国試過去問の目的は以下の3つだとおもいます

・映像授業の復習・定着・確認 
・国試形式に慣れる
・過去問を覚える!
 

映像授業の復習・定着・確認 

医師国試は知識量が膨大なため、映像授業を受けたあとしっかり知識を定着させ、その後もしつこいくらいにメンテナンスしないと国試本番で使える知識になってくれません。
知識のメンテナンスには様々な方法がありますが、国試の過去問演習を利用することをおすすめします。国試過去問は後述する2つの理由でやりこみが必要とされるからです。

国試形式に慣れる

一般問題 短文で知識を問われる
臨床問題 長文で知識+病態等を考えて解答する

国試には大きくわけて2つの形式の問題があります。また、長文で臨床問題の顔をしているけど実質知識のみで解けてしまう一般問題というパターンもよくあります(長文中のキーワードを拾えばすぐに解答できて、全く思考が要求されない 例 移動する背部痛→(大動脈解離)→初期治療は降圧等)

他にも臨床問題連問や英語問題、必修ブロック等あり、国試の形式に慣れるためにある程度の問題演習は必須と言えるでしょう。

過去問を覚える

国試において最も過去問演習を必須にしているのは間違いなくこの要素でしょう。もちろん国試に限らず試験に過去問はつきものですが。

医師国試においては全体の7割程度の問題は過去に試験で問われた内容です。さらに全体の2割程度は過去問がほぼそのまま出題されます。この2割の中には通常の勉強では正答しきれない少し癖のある問題も混ざっており、過去問を覚えていれば解ける・覚えていなければ解けないとはっきりとした差が出てしまいます。

114回医師国試では正答率90%以上の問題が60%を超えており、みんな過去問をやりこんでくるので過去問がほぼそのまま出題されているような問題は当然正答率90%を超えてきます。

国試過去問の教材

Medilink:QBOnline
Medu4:過去問データベース
この2つが代表的かと思います。

QBOnline

Medilink(Qassistの会社)が出版

Vol1〜5 メジャー・マイナー 12000円/冊
Vol6 公衆衛生 4700円
Vol7 必修 12000円

出版から2年間有効(4年の3月に買って国試まで使うイメージ)※公衆衛生は10月頃出版

無料会員登録 
 全問題演習(消化管のみ解説も見れる)
 演習結果の保存、ブックマーク、ノートは利用できない

シリアルコードを1つ以上登録
 演習結果の保存、ブックマーク、ノート利用可能!
 シリアルコードを登録した巻の解説が閲覧可能に

解説はめちゃくちゃ充実しています。(高いだけのことはある)

Medu4過去問データベース

無料!(会員登録は必要)

絞り込み機能が非力です。診療科、出題形式、過去自分が間違えた問題、直近で演習した問題除外 のみ!

なお開発中のMedu4アプリ版では回数別、画像問題、計算問題、正答率での絞り込みが追加されそうです!(2020秋リリース予定)

解説はかなりあっさり。ですがフォーラム機能があり、会員が自由に書き込みをすることができます。疑問に思った問題のフォーラムを開くと解説されていることも多いです

どっちがおすすめ???

選ぶ基準としては、1周目問題・解説・絞り込み機能・値段の4点かと思います。

1周目問題

QBOnline独自の機能です。直近5年分を中心に選定しているようです。
直近10年分→1周目問題にすると問題数が半分になるイメージ。極端に正答率が低い問題も除外されていることが多い印象。

膨大な過去問から優先順位の高い問題だけを演習できるのはかなり有利だと言えます。

解説

現状圧倒的にQBOnlineのほうが充実しています。しかしその解説を見るにはかなりの課金が必要ですが、、、、一昔前はQB(まだ本のみだった時代)のみで国試に受かると言われていましたが、それも頷けるほどの充実した解説です。

絞り込み機能

現状ではQBOnlineが圧倒的に充実していますが、今後Medu4アプリの登場によりほぼ同等になることが見込まれます。
詳細はQBOnlineに無料会員登録すれば見れるので僕がよく使っていたものを紹介します。
 

正答率 

正答率で絞る目的は以下の3つです
 なるべく演習問題数を減らす(特に速度を重視したい1周目)
 正答率の低い→悪問の可能性が高い。
 正答率低いから解けなくてもしょうがないよね!という甘えをなくす。
  
ぼくは1周目は60〜100%でやっていました。
正答率50%問題をすべて正答するということは、簡単に言うと上位50%で合格できるということで1周目でそこまでは必要ないのでは??という考えです。
 

直近10回分

日進月歩で進化している医学において、いくら学生レベルとはいえ10年以上前の問題だと今の医学的に不適切な問題がありそうなので、、

※直近2回分は除く
直前期に114回!という形で解くために残しておきます。(大学のテストに国試の過去問が出るから、どっちにしろ温存しておけない!という人は入れましょう!)
 

臨床長文は除く

いわゆる長文問題の連問です。解くのに無駄に時間がかかるので除外しましょう。
一般問題だけでは診断力等の演習ができないので臨床単問はしっかり演習しましょう!

計算問題のみ、画像問題のみ 

直前期の演習にめっちゃ便利です。
計算問題は忘れないように直前期は毎日数問解いていました。
画像問題は本番に『見覚えがある!』かどうかが点数に直結すると思ったのでとにかく直前期にたくさん見るようにしていました。(ぁQBで見たやつだ!!)

一般問題のみ 

スキマ時間でやるには思考を要求される臨床問題はツライ、、一般問題のみ演習できるのは便利!

効率いい演習を

問題解答後に◎、○、△、×の4つをつけることができます。(正解だと○、不正解だと×が自動的につく)
正解しもう学ぶべきことがなくなった問題は◎をつけてどんどん除外、逆に正解してもまだ学ぶべき問題には△をつけ再度解くなど工夫して、効率よく演習していきましょう。

価格

QBOnline 8万円弱!!(Vol1~7全て購入)
Medu4  無料!

この差はかなり大きいと言わざるを得ません、、、、

QBOnlineがおすすめ!

個人的にはQBOnlineをおすすめします。理由はただ1つ、膨大な量の国試過去問に立ち向かうのに1周目問題の機能が有能すぎるからです。

※絞り込み ぼくが1周目に使っていた条件です。Medu4アプリ版登場後はどちらもサービスでも同様の条件を設定できるようになると思われます。
 正答率60〜100% 直近10回分(〜回以前・予想問題は除く)、臨床長文除く

全問題
 4700問 10年分(105〜114回)
 3524問 絞り込みのみ 
 2457問 1周目問題
 1794問 1周目問題+絞り込み 

画像問題
 1361問 10年分 画像問題全て
 962問 絞り込みのみ
 766問 1周目問題
 523問 1周目問題+絞り込み

計算問題
 84問 10年分 計算問題全て この程度なら全問題解けますね。

このようにQBOnlineにて1周目問題+絞り込みを使うことで、1周目に解く問題数を40%程度にまで削ることができます。
今後登場するであろうMedu4アプリを利用し、絞り込みを使ったとしても、『1周目問題』が無いと70%程度にしかなりません。

この差はかなり大きいと思います。

費用を節約

ただ、QBOnlineは全巻購入すると8万円とありえないほど高いです、、、

しかし無料会員登録だと演習記録が残らず、『今までに間違えた問題のみ演習』ができません。
そこで、費用節約のために、どれか1巻のみ購入しましょう!8万→1.2万へ大幅に費用を節約できます!

この方法を使うと、解説が閲覧できなくなります。
昔は映像授業があまり発達しておらず、QBのみを購入し問題演習→解説で勉強するのが主流だったので、充実した解説に費用を払う意味がありました。
現在は映像授業が発達しているので、映像授業で知識をつけて、演習に国試過去問を使い、わからなければ映像授業のテキストに戻るという勉強法ならばここまでの解説はいらないです。もし解説が必要ならば、そのときだけMedu4過去問データベースの解答+フォーラム機能を利用しましょう。

もちろん知識が多くて困ることはないのでお金に余裕があれば、特にVol1〜5は購入し、充実した解説も手に入れた方が良いと思います!

※裏技ですが、メ○カリなどでシリアルコードのみの販売・シリアルコードなしのQBの販売が行われていたりもします。
本で勉強したい紙派の人がいるので、このようなことが起きてるのだと思われます。法律違反ではないけど、MedicMedia(出版社)の利益は減っているので、グレーだよね、、

模試

3種の神器、最後は模試です。

模試の目的

以下の3つだと考えます。

全国での自分の位置を知る

医師国試は何点以上取れたら合格!という絶対評価ではなく、受験生の下10%を落とすという相対評価の試験であることを考えると、模試を受けることで全国の国試受験生の中での自分の位置を知ることは大切なことだと言えます。
この点を考えると受験人数の多い模試を受けることが重要です

苦手分野を知る

国試の勉強は分野ごとになってしまいがちで、全体を俯瞰して自分の苦手分野を知る機会は少なくなってしまいます。
模試を受けることで強制的に全範囲の問題を解き、苦手分野を知ることができます。

新規の問題を解く

国試過去問をやり込むと、どの問題も見覚えのある問題になってしまい、なんとなく解けてしまうという状況になってしまうことがあります。その点模試の問題は、初めて出会うものなので、新鮮な気持ちで問題を解くことができます。
とはいっても、膨大な量の国試過去問をなんとなく解けるほど演習できていたら、その時点で間違いなく国試には合格すると思います、、、
ほとんどの受験生は新規の問題をやるよりも、国試過去問を徹底的に演習するほうが学習効果は高いと個人的には思います。

あとはやはり、模試の問題は本番の国試より少し難易度が高いように感じました。

模試の教材

TECOM・MEC・MedicMediaの予備校3社が医師国試の模試を開催しています。Medu4には現状模試はありません。
映像授業で扱った内容が模試で出題されたという話(サマライズ→冬MEC)もありますが、基本的には視聴している映像授業に関係なく好きな模試を受けて全く問題ありません。模試は大学からこれを受けてください!と言われ、集団受験になることも多いです。

TECOM

参考文献:TECOM模試
全4回 1回15300円(大学単位 9700円)

1回 6〜7月 3000人程度
2回 9月  4000人程度
3回 11月 7000人程度
4回 1月 8000人程度 

MEC

参考文献:MEC模試

春MEC(180問)3〜4月 6000人 6160円(大学申し込み 4400円)
夏MEC 7〜8月 7000人程度 15400円(大学申し込み 9900円)
冬メック 12月 8000人程度 15400円(大学申し込み 9900円)

解説本が圧倒的に充実している!おすすめ!

MedicMedia

参考文献:Medic Media模試

11〜12月 1500人程度 16500円

ぅーん!これからに期待!!初めて開催した昨年度(2018年度)の模試の評判が著しく悪く(めっちゃ難しかった)、今年も受験者数は伸びず。
この時期はMECもTecomも模試やってるから、わざわざMedicMediaを選ぶ理由がないのが正直なところ。
強いて言えば、QBと同じ形式で復習ができることくらいか。

どれがおすすめ??

受験者数

全国での自分の位置を知るという意味では、なるべく受験者数の多い模試を選びましょう。この点では7000人を超えてくるテコ3・4、夏・冬MECが強いです。

解説

これは圧倒的にMECの解説が充実しています。解説本の厚さが他の模試と倍くらい違います。
また各模試とも映像による解説授業がありますが、2倍速再生したとしても解説本を読んだ方が100000億倍効率がいいので、おすすめしません。
TECOM模試には、あまり知られていませんが質問をメールで送ると専門医から返答がもらえるサービスがあるので、積極的に利用しましょう!

時期

テコ4は唯一、年明けに模試があり最終確認という意味ではとてもよいと思います!

結論

模試もかなりお金がかかり、きちんと復習するとかなり時間も取られるので、厳選したもののみを受けましょう。

7月 夏MEC
12月 冬MEC
(1月 テコ4 余力があれば!)

個人的には以上の3つがおすすめです!

〜6年での模試受験

6年以前での模試受験はおすすめしません。

模試を受ける時間があるなら、通期講座を受講してInputを増やしましょう。
この段階で全体での立ち位置を確かめる必要もないし、国試の範囲全体を解きたいなら回数別を解きましょう。

通期の映像授業受け終わっちゃったぜ〜〜〜〜wwwwwwみたいな人は暇つぶしに受けてみてもいいかもしれません(てきとう)

さいごに

国試過去問・模試についてまとめました!
参考になればうれしいです!

114回医師国試体験記の他の記事は第114回医師国試体験記①からご覧ください。

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