第114回医師国家試験体験記⑩ 番外編 〜ぼくのかんがえたさいこうのこくし!!〜

医師国家試験

114回医師国試体験記の他の記事は第114回医師国試体験記①からご覧ください。

長々と医師国家試験について書いてきましたが、最後に少しだけオマケです!

理想の国試とは??

国試の勉強をしていれば誰もが思ったことがあるでしょう。
はい、ご唱和ください!!!『これクソ問やろ!!!!!』
そんなん知らんわ!とおもわず言いたくなる細かい知識、どっちでもよくね?としかおもえない選択肢。

では、どんな問題を出すべきなのでしょうか??ちょっとだけ考えてみました。

もっと出すべきだと思うもの

診療科に関わらず使う知識

いわゆる研修医になってまず勉強!といわれるものです。
診療科に関わらず、臨床医ならば必須の知識です。また大学病院で最先端の医療をしても、離島でクリニックをしても使う知識です。

 身体診察、輸液(栄養・電解質)、心電図、胸腹部単純X線、血ガス

緊急を要するもの

つまりいざというときにすぐ身体が動く必要があり、悠長に調べている時間などない知識です。

気道緊急の対応(バックバルブマスク、声門上器具、気管挿管、輪状甲状靭帯穿刺・切開等)
 気道緊急のガイドライン含めて、気道閉塞患者への対応。手技面は研修医になってからだけど、知識は完璧にしておきたいところ。

心肺蘇生法(ACLSレベルまで)
 医師である以上、目の前で人が倒れたときに自信をもって対応したいところ。国試を利用して少なくても知識は完璧に!

緊急時に使用する薬
 急いで投与する必要のある薬剤については用法用量・禁忌まで出題しても良いと思う。
 CPA・アナフィラキシーショックのアドレナリン、痙攣時のセルシン、髄膜炎・敗血症に対しての抗菌薬等

診断

診断がつけば、治療は専門医に紹介する・ガイドライン調べる等することができますが、診断がつかないと治療が遅れてしまいます。
ん??おかしい!!と気づくことが大事だと思います。

代表的なものとしては膠原病・血液疾患があげられます。

頻度の高いもの

医師として働く中で、頻度の高いものはもう少し出題してもよいのかなと感じます

感冒(いわゆる風邪)
 ありふれた疾患ですが、きちんと勉強する機会はあまりないのではないでしょうか?抗菌薬が処方されている例もしばしば目にします。

出す必要がないと思うもの

調べればいいもの
 腫瘍・抗癌剤治療 診断が付けば、専門医を頼ったりガイドラインを調べる時間はあるし、そもそも専門医になってから勉強すればよいのではと思ってしまいます。細かい遺伝子変異とか化学療法とかもういいよ、、、

さいごのさいごに。

国試予備校の登場や医療の高度化に伴う医師国試のインフレにより、近年の医学生は莫大な時間を勉強に費やさなければなりません。
患者さんの命を預かる医師になることを考えれば国試の難易度は高く、多くの知識を身につけられた方が良いように思えます。
しかし、本当にそうでしょうか??

試験で点が取れて、知識が豊富であれば『良き臨床医』になれるのでしょうか?
実際に研修医として現場で働いてみると、それだけではないのかもしれない。と思うことが多くなりました。

患者さんに寄り添った言葉を選んだり、看護師さん・薬剤師さんといったコメディカルの方々と協力できる関係を築いたり、そういった『医学の知識』ではない『人間力』も非常に重要だと感じます。

そういった『人間力』を身につけるには、医学生としてではなく、それ以前に1人の人間として、様々な人と会い様々な経験を積むことが必要ではないでしょうか。

部活でみんなで頑張ったり、恋愛のほろ苦さを味わったり、ときにはお酒を飲みすぎて吐いたり、深夜までゲームしてたら朝のバイトに寝坊してこっぴどく怒られたり。

『人間力』は喜びや楽しさだけではなく苦しさや悲しさも味わいながら、効率のいい方法も近道もなく、時間をかけて少しずつ身についていくものであり、だからこそ『大人』はカッコいいのだとぼくは思います。

小さいときから『知識』を身につけ続け、試験を突破し続けてきた医学生からこれ以上『人間力』を身につけるための時間を奪わないで欲しいと願わずにはいられません。

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