第114回医師国家試験体験記③ 〜暗記〜

医師国家試験

今回の記事では医師国試を突破するために重要な必要な暗記についてまとめました!

理解と暗記

理解と暗記はどちらも知識です
理解した病態生理は”知識”ですし、暗記した数字もまた”知識”です。
国試では持っている”知識”を使って解答し、得点を取っていくことになります。

国試では理解と暗記、この2つの”知識”のバランスを意識しながら勉強することがとても大切です!
国試に受かるために必要な知識すべてを丸暗記することは不可能です。逆にすべてを理解して国試に臨むこともまた不可能です。

どっちが好きで得意かは人によると思いますどちらかというと暗記型の人の方が国試では有利かなと思います。
ぼくは理解型で気になるとつい深追いしてしまい1日無駄にした、、ってことがよくありました。

理解

病態生理は理解して身につける知識の代表かと思います。

反省も込めて、、、、
 深追いしすぎない!!!
 国試に必要な最低限のものだけ! 
 
この2つを忘れずに!病態生理を理解することで総暗記量が減るのか??を常に意識しましょう。

暗記

重要なことは『きっちり暗記していないと、手も足も出ない項目をきっちり暗記する』ことです。
国試に求められる知識は膨大で、全てをきっちりと暗記することは不可能です。
しかし国試は5択なのでここまできっちり暗記していなくてもふわっとした知識で正答できる問題が多いこともまた事実です。

よって本気で暗記する項目は絞りましょう!
代表的なものは以下でしょうか

検査値
 高血圧、糖尿病、高脂血症等の基準値
 産科の週数
 小児科の身長体重、公衆衛生の数字等々

スコア系 Child-Pugh分類、Apgarスコア 等々

キーワード 主に一般問題で問われやすい内容です
 白血病の遺伝子変異、MEN(神経内分泌腫瘍)等
 特異度の高いもの 顎破行→側頭動脈炎 など

究極MAP

暗記項目を抽出するためにとても参考になります。
114回では びっくり目→SCA3(spinocerebellar ataxia 脊髄小脳変性症3型)、別名MJD(マシャド・ジョセフ病、Machado-Joseph disease)
が的中?しています。

究極MAPが推しすぎて別記事でまとめました!

コツ

映像授業を上手に使いましょう。

映像授業で説明されている病態生理は国試に必要な知識が効率よく・わかりやすく凝縮されているためきちんと理解する価値があると思います。
しかし、そこでなにか引っかかったことを深追いして調べ始めると、一気にコスパが悪くなる可能性が高いです。

また過去問で出ている内容は基本的にすべて暗記する必要があります。
しかし、過去問の中にも出題頻度が高くきちんと暗記しておくべき知識もあれば、悪問で飛ばしていい知識もあります。その数十年間数千問という膨大な量の過去問を僕らの代わりに分析してくれているのが、国試予備校です。

これを利用しない手はありません。予備校のススメにて詳しく書いています!

暗記法

暗記がめっちゃ苦手なぼくが実際に使っていた方法です。
有名なものもありますが、参考になればうれしいです。

ゴロと連想

暗記法には大きくわけて”ゴロ”と”連想”があるかと思います。

ゴロ

以下のようなものです。 
 暗記項目 腹部大動脈の分枝
 ゴロ   大福の上の人生か、、、
 知識   大動脈、腹腔動脈、上腸間膜動脈、腎動脈(→下副腎)、精巣/卵巣動脈、下腸間膜動脈

様々な知識を覚えることができますが、ゴロの欠点としては
 ゴロそのものをおぼえるのが大変
 単語→ゴロ→知識 と思い出すまでに時間がかかる。

ということがあげられるかと思います。

連想

以下のようなものです。
 濃度・時間依存の抗菌薬
  濃度依存 アミ“ノ“グリコシド、キ“ノ“ロン 「の」うど→「の」が入る抗菌薬
  ※ちなみに『この2つ+テトラサイクリン・クロラムフェニコール→妊婦禁忌の抗菌薬』です。

  時間依存 その他多くの抗菌薬! セフェム系など

連想法ならば、知識を呼びだすトリガー(上の例ならば”の”)だけ覚えておけば大丈夫です!

おすすめは連想!

どちらも昔からある暗記法ですが個人的には連想のほうが使いやすいかなと思います。
まず連想法でトライしてみて、うまくいかなければゴロを使うのがおすすめです。

ゴロ・連想はネットでググってみると様々なものが出てくるのでさがしてみてください!

周辺知識までまとめて覚える!

さっき出てきた 抗菌薬の濃度依存と妊婦禁忌をまとめておぼえる! みたいな感じです。
いろいろな知識を関連付けておいたほうが記憶にも残りやすいです。

横につなげる

これはとてもおすすめです!

縦 診療科・臓器・疾患ごとの知識
横 数字・症状・検査・薬についての知識 

横につなげて覚えることで診療科・臓器・疾患を横断し、国試の範囲すべてを俯瞰して知識を整理・暗記できます。

特に数値系はおすすめです。この値になったらやばい!って感覚が身についてきます。

例 血圧

高血圧 
 140〜/90〜  高血圧
 160〜/110〜 妊娠高血圧 重症
 180〜/120〜 重症高血圧 即入院→降圧(Ca拮抗薬、硝酸薬)
 
 ※拡張期 130以上 悪性腎硬化症!

低血圧 〜100/〜60
 収縮期100以下 qSOFA、ショック やばい
 収縮期90以下  ADROP P! 肺炎重症度

上の例だと 収縮期血圧180以上になるとかなり危ないのかな?となりますね
 
横につなげて知識をまとめてくれる映像授業はあまりないと思うので、自分である程度作る必要があります。
横につなげる意識を持って映像授業を受けて、別のまとめノートに少しずつまとめていくのがおすすめです。

単純化

正確性を多少犠牲にしても覚えやすさを優先しましょう!
特に小児科の成長・発達は覚えることは多いですが個人差が大きく、多少正確性を犠牲にしても問題なく解答できます。

例 小児の身長体重

体重身長
出生時3kg50cm
1ヶ月+1kg
4ヶ月2倍
1歳3倍1.5倍
2歳4倍
3歳5倍2倍

暗記スケジュール

国試にむけての暗記スケジュールをまとめてみました。
忘却曲線と戦いながら、国試当日に最大限の知識を使えるように暗記していきます。
忘却曲線との戦いがとにかくツライので、ぼくは暗記開始をなるべく遅くしました(暗記苦手なので、、)

〜6年12月 暗記リストを作る

 暗記リストを作ることである程度覚えるという効果も見込めます。

6年1月〜 暗記する

 まずは優先順位の高い100項目程度を暗記していきます(1項目30秒で1時間で1周できる)
 1日2回、起床後と就寝前1時間ずつ、計2時間 暗記の時間を作ります。
 つまり100項目を1日2周することになります
 
 3日(6周)程度である程度覚えてくるはずです。
 暗記できた項目は印を付けておいて、1日1回→2日に1回→3日1回と確認の周期を伸ばしていき長期記憶にしていきます。
 もし確認時に思い出せなかった場合は再び1日2回からはじめます。
 これを延々と繰り返していきます。(つらい。とてもつらい)
 
 最初の100項目のうち8〜9割が1日1回周期になったら、次の100項目を追加していきます。
 
 最終的にはすべての項目が3〜4日に1回周期、計3〜400項目程度は暗記できるかと思います。

ポイント

最初は覚えられなくてもとにかく回す。

最初は全くおぼえられず、死にたくなりますが1項目ごとにあまり時間をかけず、とりあえず1周するイメージでとにかく回しましょう。
このとき覚えられないことはまったく気にする必要はないですが、もし理解できない項目があった場合は復習しましょう。理解していないものは絶対に覚えられません。
キツイ場合は100→50項目等へ減らすのもアリです。
またもし余力があれば、起床時・昼食後・就寝前など1日3回にすると定着が早いです
 

確認が大事

確認の周期は3〜5日に1回まで伸ばしていきますが、それ以上は伸ばさずきちんと確認することが大切です。確認を怠るとすぐに忘れて0に戻ってしまいます。

さいごに

暗記についてまとめてみました!国試合格に必要な膨大な量の暗記を乗り越える助けになればうれしいです。

114回医師国試体験記の他の記事は第114回医師国試体験記①からご覧ください。

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